なんと、いろんな想念が浮かぶだろう!
おお、これを書こう、あれを書こう… 出来事でなく… 想念としか言えないものが!
それも歩いていた時の話!
帰ってきて机に向かえば、もうあの時は過ぎ去って…
シューベルトはそんな時、いちいち紙に書いていたそうだが。それより買い物だ! 母ちゃん… パートナーには、いいもん食ってもらいたいからな… 安かったコマツナ、納豆、牛乳… 身体にいいだろうパイナップル、ナッツ、米に混ぜて炊く麦芽の小さい袋のやつ… リュックにしょって、3円のレジ袋をさげ… よくおばあちゃんが引きずってるキャリーカート? あれだったら楽だろうなと思う、引きずるんだから重くなかろう。
が、まだそこまで老齢でない… ビジュアル的に。そんなこと気にして、リュックと手さげで重いもんを好きで身に付けてんだから世話がない!
米も5キロをリュックに入れりゃ、歩くうちにヤんなってくる… でもな! これで母ちゃんも元気になってくれるんだ… いのち、宿った、その身体!
いのち、立たせてんのが身体だとしたら… そいつは大切にしなきゃ!
母ちゃんだけに限った話じゃない、あらゆるいのちに、いのちはそういうもんなんだ、慈しむ…だいじなもんだ、なにものにも代え難い…
まったく、歩いてる時ゃ、あれこれ考える! いつだって考えてるが!
もしもし、カメよ、どうだったんだい? 東京は。
父の十三回忌だったからね… 甥と姪、兄と、四人で。
おみやげを喜んでくれたよ、奈良の。
兄には、家でとれた夏ミカンもリュックにいっぱい入れて持ってった… 美味しいって食べてくれた!
生きてるうちにしかできないこった!
なんでもそうだ! 生きてるうちにしかできねえ!
泣くことだって! 笑うこったって! 畜生、死んじまうまでの!
平和的でありてえもんだ! 見た目なんかの平和じゃない… ほんとうの、ほんとうの。
まだ言うのかい? 今まで書いてきたようなことを。
いつまでだって言ってやる… ひとりひとりから始まるんだって。平和なんかひとりひとりから始まるんだって!… 何をこじつけてるわけじゃない… ほんとにそう思うよ… ひとりひとり… ひとりひとりの…