確かに読書は、「自分はひとりではない」確認ができる。それを知ることができる。
 共感── だが、共感だけでは、そこで止まってしまう。
 その先へ進むためには── 進みたくなるのだ── そこから先へ行かねばならない。
 自分はひとりである。しかし、ひとりではない。だがひとりである。
 この足を進める道、進めさせる気力── 土台、道を、己が歩むに足るものを。
 ひとりであってひとりでない、しかしひとりであること。ここから発ち、終着までを己の土台を土台に、この土台を土台に歩き続けること!
 ひとりであることを忘れぬこと。ひとりでないことも忘れぬこと。