一緒に暮らす意味とは、何でしょう?
「好き」から始まったとて、日々の暮らしに追われ、生活に埋もれたりしますね。
結婚したほうが、戸籍上、国が人間を実利的に管理し易いというのもあって、こちらも経済面で助かったりします。
 しかし、もちろんべつに国のためや生活の利便のために結婚するわけでない。
 一緒に住みたいのであれば、同棲で十分な筈です。結婚なんかしなくとも。
 ぼくなんかは結婚した時、「この人の能力を伸ばしたい」という、たいへんおこがましい思いを抱いていたものでした。
 しかしもちろん、個人の能力を伸ばすなんて、本人がすることでありました。
 とすれば、せめて相手の邪魔をしないようにしつつ、おたがいに好きなことをすること。
 あまり干渉せずに。
 おたがいに、根本的なところで信頼し合い、好き勝手にやること。
 どうもこれが、ぼくの「理想」とする同棲相手のようです。
 ひとりと、ふたりの、あいだくらいのところで、ともに。
