恋の唄

 暑い夏
 それ以上に熱かった 恋心

 夕立ち 朝焼け 午後の部屋
 ふたりで はしゃいだ 昼下がり

 なんか 通じ合っていたのは
「このひとを好きになりたい」という
 意志だったのでしょうか
 それとも
 ホントに通じ合っていたのでしょうか

「うん、通じ合ってた」
 そう思えるのは
 そのひとが 今 いないからでしょうか

 いないことだけが わかります
 もう 手も届かない
 もう 二度と 戻れない
 三十年前の 夏でした