今日、滋賀県に行ったのだ。
朝の9時、米原駅周辺、開いている店は散髪屋と喫茶店だけだった。
隣りの、醒ヶ井(さめがい)駅へ行くと、山が妙に近くあった。
「何もない」所は、ない。
店はあり、建物もあり、山もあった。
ただ店が閉まっていたり、建物はただ立っているだけ、山もただいるだけ。
それらは、こちらに、特に、何かをはたらきかけてくるものではない。
しかし、山は違った。紅、緑、黄、いろんな色が混じりあって、チャンと生きて、息づいている風景だった。
懐かしくも感じた。
20歳の頃、イソウロウしていた、埼玉のスズキさんの家の目の前が、こういう山の景色だった。
「おもしろいわよ、山って。季節が変わるごとに、いろんな表情、見せてくれて。」
スズキさんの奥さんが言っていた。
夕方になったら、朝のうちは感じなかった、空気の美味しさが感じられた。
醒ヶ井駅にほとんど隣接しているおみやげ屋の裏のほうの喫茶店に入った。
その喫茶店の女主人が、「何もないですけど、水と、空気は美味しいんですよ。」素敵な笑顔。
おみやげ屋付近にも、「湧き水で、きれいです、飲めます」と書いてある、自然に流れてる小さな水飲み場があった。
そのコーヒーも、その山からの湧き水でつくっているという。
美味しかった。身体が喜ぶコーヒー、初めて飲んだ。もちろんお冷やの水も、湧き水である。
最初は分からなかったが、しっかり美味しいのだと思う。
あのコーヒーは、また飲みたい。
美味しい水と、美味しい空気。
忘れていた、生きる基本、思い出させてくれた、小旅行だった。