わからない魅力

 実際のところ、「恋愛」というものが、ぼくにはよく分からない。
 喫茶店(!)で一緒にコーヒー飲んだり、歩いたり、映画観たり、帰り際にキスしたり、なんだか抱きあったり、と、その具体的な「イメージ」は、10代で終わった。

 20代、夢のような「恋愛」というイメージは隅に行って、個人個人として異性を見れるようになった。
 30代、わけがわからなくなった。
 もうすぐ40という頃、「恋をする自分自身」というモノが、おぼろげながら、何気なく確かに浮かび上がってきた。

 人が、人から受ける吸引力、魅力って、何なんだろ?
 自分の免疫力を高めるために、自分に無いものを持っている異性に、吸引される、という説もあった。(ホントかね)

 しかし、いいんだよね、べつに。
 吸引されていく自分。
 恋愛へ、ではない。そのひとの持つ、そのひとにしかない魅力へ。

 ぼくはぼく。あなたはあなた。ぼくは「あなた」に魅了されるだけ。
 恋愛なんて、知らないよ。

 just whispering .