人間として。この意識。
人間としての意識。
これが、ヒト族の最後的な拠りどころになるのではないか。
この地球、この世界で、人と人が混じり合って、交じり合って生きて行く上での。
きっと現代、自分のことに熱中している人が多すぎるように見える。
携帯電話、スマホの普及。ネットの網に囚われて。
私など、その最たるものだ。自分のことに熱中!
猟網の中で、ぴちぴち跳ねる魚どもの下に埋もれている一匹だ。
口を、ぱくぱく動かして。こいつが何か喋る。〇×△□、〇×△□…
「人間トシテ、考エル、ヨウニナルマデニハ、自分ニツイテ、ヨク、ヨク考エナケレバ、ナリマセン
ジブンが考えて、ジブンについてよく考えて、ソコカラでないト、ニンゲンについてモ、よく考えられませン」
「ワタシハ、ソノ点デハ、ヨク考エテ来タ、ツモリデス
ただモンダイは、ジブンがそうだから、マワリにも、それをモトメテしまうトコロです」
「私ハ、人間ナノデショウカ。私ハ、ホントウニ、人間ナノデショウカ」