あんなに暑かったのに。
10月16日。昨日、ダウンジャケットを着てた人を見た。一人だけだったな、あと、すれ違ったぜんぶは…Tシャツ姿の外国人もいたし。パーカー、薄い羽織るものを着てる人が多かった。
歩いていると、暑くなった。
弱視の夫婦だったんだろう、杖で前方を確かめながら歩いて来る二人を見た。
若い旦那さんの胸には、まだハイハイもできるかできないかぐらいの赤ん坊が紐で抱っこされてた。
えっ!と思った。夫婦は眼が不自由だ。でも、二人だけで、赤ん坊もいて、もちいどの通りを歩いていた。
すれ違う時、「ここで食べようか」と旦那さんの声が聞こえた。若い奥さんの返事は聞こえなかったけど、きっとその飲食店に入ったんだろう。
なんか、感動…? 偉いなぁ? すごいなぁ? とにかく、打たれた。生きてんだ、と思った。立派に、生きてんだ、と思った。なんか偉いことしたり、総理大臣になったり、人から「すごい!」なんていわれなくたって、そんなんじゃなくたって、りっぱに、ほんとうにりっぱに、生きてんだ、と思った。
あやうく泣きそうになったよ。同情とかじゃない。どうして泣きそうになった、涙が溢れてきたのか。打たれた、としか言いようがない。
何なんだ、畜生。