フランスの作家・セリーヌのことを。
この作家は、他のどんな作家とも違っていた。
衝撃だった…
どこがどう、というのではない。
読んでみれば、特にどうというのは…。
が、何か強いものが残る。
胸奥を掘り起こされる?
胸の井戸に響き渡る?
文字が残る、彼の言葉が残る、というのではない。
形になっているものが残る、というのではない。
遺跡ではない。
心に残るとは、そういうものだろう。
だから衝撃も、この言葉が、この場面が、等々、「隕石がここに落ちた」というような具体的なものでなく…
ずっと震動している、というものだ。
何が発見された、何が証明された、ここが震源地だ、爆心地だ、というものでない。
このゆらめき、ゆらめきつづけるものは何だ、という…
セリーヌのインタビュー場面の動画があった。
何ということはない、たぶんちょっとしたドキュメンタリーだろう。
どうということはない。フランス語で、何を言っているのかも分からない。
でも、一応。