ルソーを読みたいと思った。
むかし付けていた「高橋の日記」の下欄に、世界の格言みたいな言葉があって、
「少数派がいつも正しい」(マーク・トウェイン)
というのがあった。
心に引っ掛かる言葉だった。
少数派がいつも正しいのなら、多数派は間違っていて、しかし多数派が一般社会を形成しているものではないか。
だが、正しい・間違いというのは、たいした問題ではないと思われる。
肝心なのは、「なぜそうなってしまうのか」という一点だ。
数学者のガロワは、自分が負けることを知りながら、決闘(昔々はよくあったらしい。ドストエフスキーにもよく出てきた)をした。
ルソーも、どうやらそういうタイプの人間であったらしい。
椎名麟三は、「死後に、作品が世に受け入れられたとしても、それは作家として敗北である」と云った。
ぼくは何であれ、不満をもっている。この社会というものに対してだ。
そしてこの社会は、変えられうるものだと思っている。