奈良のこの頃

 人出がすごい。
 外国人観光客はもちろん、日本人もすごい数。
 近鉄奈良駅のすぐそばに小さなアーケード街があるが、もう人混みで入る気がしない。
 もう一つの商店街は、まだマシなのでそっちを歩く。

「不謹慎だけど、コロナになって人が減ってホッとしてるの。昔の奈良に戻ったみたいで、落ち着いてね…」みたいに言っていたおばあちゃんがいたらしい。
 ちょっとその気持ち、わかる気がする。

 大体、奈良の商店はヤル気がない。接客も、あまりいい思いをしたことがない。ヤル気なんか無くても、客が来るからだ。
 緑が多く、環境は好きだけど、人はあまり好きでない。商売するなら、チャンとやれよ、と常々思っていた。

 田舎なんだろうと思う。自民党支持者が多そうだし、というか民度… ガーシーなんてのに28万票も集まる国だ。
 そのガーシーがクビになるというので、100人?くらいの女性たちが議事堂の前でデモをしたとか。何か女性団体とつながりがあったらしい。

 国会に出席しないからクビになった人のためにデモをする! あきれて物が言えない。

 それはそれとして、近鉄奈良駅前では今日も日本維新の会?が、たぶん党首?、有名な大阪の知事?みたいな人が滑舌よく演説していた。
 去年起きた、あの銃撃事件の後だし、大丈夫かいなと思いながら歩いた。ただでさえ混雑しているのに、迷惑だなぁとちょっと思った。

 心の汚い人間が政治をすると、天変地異、自然災害がよく起こる、みたいなことを故事で見たことがある。
 そんなこたぁないだろう、と、その時は思ったが、この頃は違う。

 そうか、自然と人間、繋がっているもんな。
 汚い人間が自然を操作したら(破壊だけど、ほぼ)、そりゃ天変地異も起こるわな、と納得できるようになった。

 鹿は今日も家の前に来て、土手に落ちた家の椿の花を食べていた模様。おまえはえらいよ、ある物で、何とか、していくんだもんな。

 町から人が少なくなった時も、鹿せんべい、もらえなくて、ひもじかったろうに。
 でも、不平もいわず、そのままのままで、しっかり、生きてんだよな。