ところで、この書影は、ジョウビタキという野鳥の写真。
よく家の庭にも来てくれて、小枝にとまって、こっちをじっと見つめていたりする。
この鳥はほんとうに可愛くて、自然に笑ってしまう。羽に白い〇を二つ付けた、おシャレさん。
尾をちょこちょこ動かして見つめられると、もう、微笑まざるをえない。
人間を怖がらないようで、「何してるの?」とでも言いたげに見つめている感じがする。
メジロはだいたいカップルでやって来て、秋頃には大家族みたいな集団で、萩なんかにとまってみんなで遊んでいる。
萩は柔らかい枝ぶりだから、ブランコかシーソーみたいにゆらゆら揺れる。
虫を摂る練習を、親から教わっているようにも見える。
今は春、もうすぐ桜も咲く。
桜の木は、葉ばかりになると毛虫さんが出るから困る、という声もあるが、家の前の土手沿いの桜にはいない。鳥たちが来て、食べてくれているのだと思う。
確かに、いつか山道みたいな所を歩いていたら、葉桜から糸が垂れ、けっこうな毛虫さんが空中にぶらぶらしているのを見た時は震撼したが、ここの桜にはいらっしゃらない。ちょっとありがたい。
ヤモリさんも、冬を無事越せたなら、また出てきてくれるだろう。
去年の冬か、切った枝に付いていたカマキリのたまごは、一冬、玄関の下駄箱の上で過ごし、先日家人が外に出した。みなさん、元気に生まれてくれるか…
見たことはないが、カマキリの赤ちゃんがあのカマをもってゾロゾロ出てきたら、壮観な感じがする。
しかし食べられてしまう子どもの方が多い、それを知っているかのようにお母さんはチャンとたくさん生む。
あまり見たことはないが、食虫植物というのも、すごい進化… 変化だ。虫の好む匂いを出し、虫を誘惑し、おびき寄せる。
そして脱出不可能にさせ、ゆっくりゆっくり、食べてしまうのだ。
花はミツバチに受粉させ、タネを鳥が食べればフンになり、遠く離れた土に落とされれば発芽する。
今年も夏みかんが60コくらい成ってくれて、ちょっとすっぱいけれど、いただいている。
むいていると、ほとんど奇蹟を見た気になる。あの厚い皮、そして袋、その中にぎっしり詰まった粒。そこに、タネがあるのだ。
一体、自然にまかせていたら、どうやってこのタネが、木から落ち皮が腐り実がはだけ、土に返って発芽するまで、どのくらい時間がかかるのだろう?
きっと、夏みかんは知っている。いや、知っているなんてもんじゃない。
いやはや、わたしゃ、かなわんよ、かれらには…。