そう、また、「死にてえな」とか思うことを、ここに書いたことが、昨夜はそんなことを思わなかった、思わせなかった、大きな因であると思う。
夜寝る前に、きのうも一度、「死にてえな」そんな言葉が口に出た。だが、その一瞬後、あ、おい、もう、それはもう、言ったことじゃないか、今朝言ったことじゃないか、と、前言を撤回するように、もうそれ以上「死にてえな」という気持ちになれなかった。あわてて、今言った独り言を、打ち消したい、打ち消そうとする自分が、自然に出てきた。
もう、言ったことじゃないか、朝に、もう言ったことじゃないか。
また同じことを、と、自分でハッとしたのだ。すると、あの厭世的な、正確には「厭自」的な自分が、恥ずかしそうに、そそくさと、または「あ、もう言ってたんだっけ」と思い直したように、消えるようにどこかへ行った。隠れた？ようでもある。
そして何も思わず、眠れた。
この世界にいるんだ、ということを確認するように歩いたこと、そして「死にてえ」と悶々した夜のことを書いたこと。この具体的に行なった二つのことが、悶々としない夜への道程だったと思える。