現実(3)

 要するに「現実」、今起こっていること、起きていることを「受け入れない」者は、「現実的でない」と言われそうだ。

「受け入れている」者は、現実的でありそうだ。「じゃあ、どうする」と、すぐ言う。「今は(現実は)こうなんですよ。こうするしかないじゃないですか」と。

 笑ってしまう。笑い事ではないのだけど。

 あなたは、この現実がすべて、ぜんぶなんですね。そこからしか、何も始まらないのですね。

 ── あなただって、そうでしょう。

 そうですよ。いや、でも、ちょっと違うかな。私は、あなたと同じ、ここにいて、現実のここにいて、この現実から未来を見ようとしています。でも、うん、ただ見てるんですが、… 違うんですね。未来、変えることができるでしょ、というか。ええ、現実と未来の判別の問題かもしれない。私は、現実から変えて行かないと、って考えるんです。未来は、そのあとについてきますね。未来に向かうんじゃなくて…。現実に私は(私にとっての現実に)向かおうとするので。すると、ハネ返されるんですよ。向かおうとするんだから、当然ですね。私は現実のにいるのでないから、きっと向かえるわけです。

 ── もうすでに現実的じゃないよ、あんた。