尾籠な話

 尾籠な話で申し訳ないが、実際そうなのだから仕方ない。やはり頻尿はつらい。何がつらいって、夜中に何度も目覚めねばならず、こないだなんか一時間おきにトイレに行った。

 原因はもちろん「加齢」であろうが、── 齢を重ねることは素敵なことだと思っていた、そう思おうとしていたが、やはりつらいのはイヤなのだ。

 飛蚊症はほぼあきらめている。パイナップルが効くかもしれないということで、約半年、何グラムか食べ続けたが、私の場合改善されなかった。本を読む時以外はまぁ気にならず(本を読む時は集中したいので余計気になるのかもしれない)、日常生活にたいして支障はない。

 だが頻尿は困る。寝不足、不可抗力の寝不足、しかもその「不可」が己の身体から発せられるというところが。

 こう書いて、気づく。ああ、自分以外からの不可抗力でないぶん、まだマシなのかな、と。自分に原因があるのだから、まだ対処がし易いのではないか、と。

 現時点で考えられる原因は、単純に水分の摂りすぎである。ビールは飲んでいない。水は、たぶん1リットル以上は飲んでいる。一日で。多い時は2リットル。コーヒーは5、6杯。氷を入れて。

 私は便秘をしたことがない。だが、牛乳を飲んだ方がいいと思える時、飲む。記憶を少したどると、どうも牛乳が怪しい。私の体質は、新陳代謝をしたがるようで、牛乳はお腹をよけい緩くさせる。この作用が、頻尿にも一役買っているのではないか。

 この想像自体が怪しいが、思い当たる。

 しかし、なかなか真の原因を突き止めるには至らなそうだ。ビールをけっこう飲んだ夜も頻尿にならない時はならなかったし、水をたくさん飲んでも朝までぐっすり眠れた夜もあったからだ。消去法で、牛乳を飲んだ(マグカップになみなみと)夜が、頻尿に陥り易いように思えただけで。

 たぶん、仕方がない、とホントウにあきらめることが、最善の対処策と思う。

 だが、やはりつらいことはイヤなのだ。で、しばらくはまだ、この原因究明に向けて、あがいてみようと思う。

 不可抗力といったって、抗える、その力は、まだある。

 こう、考えることで。