瞑想、奈良、都市伝説…

 たとえば瞑想なんかしていると心も落ち着くし、セリーヌの怒りも遠い景色の中に溶け込んでしまう。
 外は鳥が、メジロやら名も知らぬ小鳥が、ピチュピチュピーチク、おしゃべりだ。
 ニュースを見ればロシア民主化運動家が(明らかに殺人だろうに)死亡。
 民主とは? セリーヌの「民主主義の共同墓地」という言葉が、ついこないだ、心に入ってきていた。個々の墓を持たぬ、水平化された共同墓地という意味だろう。

 まったく、セリーヌにかかれば全てが胡散臭く、疑わしい、怒りの対象だ。民主主義は良し! 独裁は悪し! ところが、国の長の仕事は判断すること、裁き、決定を下すことなんだ、そしてその立場の人間を選ぶぼくらは何も知っちゃいない。そんなぼくらの国の代表者も、この全世界を動かすどでかい糞ったれどものちっぽけな歯車にすぎないのだ、がたぴし音立てて、ぎこぎこ夜の海へ行く脆い一艘の船、糞尿まみれのすっとこどっこいが金の部屋で大饗宴、金の柱に縛られて喜ぶマゾヒスト野郎、金の部屋、金のテーブル、金の便器に金の糞まみれ、あのゴロツキ野郎どもに貢ぐために、ぼくらの生活を乗せた船は出発進行だ、順風満帆! それ行け、やれ行け小便たれども!とでもなるだろう。

 今日は久しぶりに銭湯に行った。川端康成似の主人が番台にいて、「去年の10月から40円上がったんですよ」と申し訳なさそうに言う。あ、すいません、しばらく来てなかったもんで…。回数券に40円足して入湯。
 何でも値上がりだ。こっちがネをあげそうになるよ。
 現代版の都市伝説によれば、2025年、大地震が起きて? とにかく大津波が日本を襲うとか。来年の七月? そんな予言的なものは信じちゃいないが、一日一日、大切に生きること、その心掛けを強化する意味で役立つだろう。
 自然の恵みによって生かされてきたんだ、その自然をないがしろにすれば、払うべき代償が。あまりに不自然になりすぎたんだ、人間のつくった文明とやらは!

 それにしても鳥の声にはいつも慰められている。最高のBGMだ。
 銭湯で身体を洗い、水風呂に入り、あくびをし… 暖かい陽射しの中、よく歩いた。
 相変わらず観光客で狭い商店街はいっぱいだ。
 平和な一日だったのかな? 饅頭を一個買って、家人のおみやげにした。