ワタクシズム(c)

 だから欲に限りがないんだ… もともと、からっぽの容器だったんだから!
 埋めよう、埋めようと躍起になって… これで万全完全、埋まった!その時がずっと続くわけもなく!
 ひとりじゃ生きてこれなかった… 生まれてさえこれなかった!
 ひとりじゃ、大きくもなれなかった…

 もっと埋めたい、埋まりたい! この《私》というからっぽのコップを!茶碗を!
 それで人様を利用するんだ、埋め合わせに。他人の評価を気にし… 人から認められたくて…
 どんなに埋めようとしたって、そいつは際限ないよ!
 だってそいつはからっぽ… 無限の容器なんだから!

 勝った負けたも埋め合わせだ… 優も劣も!美も醜も! からっぽの《私》であるための!
 ルーツがある… なにごとにも、原因がある! 因があって果があるもんだ!
 この因を観じましょう、って話だ。ルーツ!ワレワレはそこから始まってるんだ。
 何億兆の生命… 繋がりがあって! 個人だけでない、ヒト族として今に至ってんだ…
 個人の歴史と集族としての歴史… 結構な時間をかけて!
 その時間、続いてきた人類史(!)、こんな核やバクダン、で終わらせちまうのは…

 自殺もするな! 他人も殺めるな!
 我、我なんて無かったんだ、もともと…
 そんなために、そんなことをするな!
 もともと無かったもののために!

 感謝、感謝しかないじゃないか… ひとりじゃなかったから、生きながらえてきたんだから!
「しかない」じゃないな、感謝したいんだ。ありがたいと思うからさ…

 ああ、俺は言いたいことを言った!
 これが俺の思う、まことのことわりだ… 俺の《真理》だ。俺はヒトだ、だから人間… こう生きる… ほんとうに生きたほうがいいんじゃねえかって思うんだ… 思っちまうんだな、この思う、俺なんて奴も…