ヒザが笑う、という表現、体現した。少しばかりの、登山をしたのだ。
標高、362mほどの宮路山。登山道、ともかく歩くしかない。
たまに、人と、すれ違う。「こんにちは」、「こんにちは」。
挨拶ができるって、素敵だ。自然と、笑顔になる。
山頂から見た風景は、よかった。
三河湾が広がって、向こう側に渥美半島が見える。
湾の上に、うっすらと雲のようなものが、水平線をぼかしながら浮かんでいる。
だから、湾の向こうにある島々も、浮かんでいるように見える。
埋立地は、一目でそれと分かる。
きっちりと、不自然そのものといった感じで、キレイにキッチリ四角い。
キッチリ四角が、いびつに見える。
登りは、登り甲斐のある登山道である。が、下るときは、とくに「甲斐」は無い。
ただ、下るのみであるのだが、これがキツかった。ヒザが、がくがく、震えだすのである。この笑うヒザに、私も笑いだす。
同行者は、じつにタフであった。
私より、5歳年上であるはずなのだが、余裕で歩を進めていた。この違いは、何なのだ。
もう一山、「本宮山」という山がある。
我々が、今度行こうと予定を立てていた山である。
これは、標高が789mであるそうだ。ヒザが、笑うどころでは済まされないだろう。
私も、下り坂の人生。うまく、笑って下っていきたいと思うのだが。