しかしもう、そんな会いたい人もいない… できれば誰とも会いたくないと思う時の方が多い。
そう言いながら、誰かと会って世間話の一つでもすればきっと喜ぶ。それはただそういう時であって、平常は大抵死にたがっている。それもそういう時に過ぎず、野菜を食わねばとか何が食いたいとか、しっかり生きる身体のためのことも考えている。始末に悪い。始末をつけようとするから悪くなる。また、良くもなる。
この頃は、生来初めてシモヤケになった。しかも足の指に。冬はいつもつらい。活力が奪われる。身軽でいられない。もこもこ着ねばならぬし、要らぬところに力が入るから要らぬ力を要する。いくら暑くてもまだ夏がいい。季節はこちらで選べない。それに適応する能力は錆びついている。
せいぜい二、三ヵ月の我慢だと毎年思う。思わなくても構わない。それでも思って、暖かい季節の到来を待ち焦がれる。来たところで、また、と思う。どうせその後に冬が来る。
思っても、どうにもならぬことを思っているのだから、現状、どうにもならぬ。どうにもならぬ中で、せめて暖かくなろうとする。なろうとすることができる、それだけで手一杯のようである。やれるだけのことをやれているのだから、それでヨシとしたいが、それでも寒いのだからどうしようもない。
困ろうが困るまいが、諦めようが諦めまいが、寒いと感じる身体は寒がる。
お、寒いか、カラダさん。ちょっと問い掛けてみる。うん、寒いよ。そうか、そうか。こんな対話をしてみたら、寒さも少し軽減した。不思議なものだ、心も身体も。