JR福知山線の脱線事故から20年

 JR福知山線の脱線事故から20年。初めてブログに書いた記事がそれだった。
 あの電車に乗っていた方が、その体験とその後のことを書いた本を出版されたらしい。インタビューを聞いた。しっかり、自分の言葉で、個人的な体験にだけに捉われずに語られていた。
 印象的だったのが「資本主義は競争ですから。」民営化され、他の鉄道会社との競争があった。JR西日本は赤字から始まっていた。そして勝ってきた。その経営理念、企業努力は利用者に受け入れられ、利用者もそれを求めてきた。
「われわれはどう生きたらいいのか」ということに突き当たった── そんなインタビューだった。

 結局考える作業が必要になってくる。それを哲学と呼ぼうが何と呼ぼうが構わない。とにかく考えること。一人一人、各人が、しっかり考えること。
 でないと、また繰り返す。
 そのインタビューで初めて知ったのは、あの事故後、ご遺族にJR西日本の社員たちが一人一人つき、懸命に、寄り添った、誠実にご遺族に寄り添った、ということだ。
 その誠意に偽りはなかった。という話を聞いて、少し救われる思いがした。
 悲惨な事故には、必ず原因がある。その原因を突き詰める、突き詰めようとする、つまり考えること、で、ほんとうに風化させないことができる。あやまちは、繰り返さないことができる。一人一人が、この社会に生きている一人一人が、自分、が考えることによって──