この世に生きた人として

 消費社会は間違っている、ということは言い残したいな。
 ゴミばかり出して、どんどん経済を回せ、なんておかしさの極致だよ。
 あと、考えることをなおざりにされ、またそうされることを望んだということも。
 結局バランスを失っちまったんだよね。
 片一方にばかり進むと、崩れちまう。人一人個人にも当てはまるこって。
 自分のことに一生懸命になるのはいいけれど
 客観ってのに もっと目を遣ってもいいんじゃないかと

 それはもちろん数やランク、表情や衣装に留まらず
 それらをつくりしもの つくられた表象、それらのものに
 つくりての、その手を見ないことには
 ただその手の中に弄ばれ その外も、そのもっと外の
 外から見えず、外も見えず
 見えないものも見えず 見えるものばかりに固執して
 徳も何もなくなっちまう

 掌、小瓶の中に留まって もっと大きな大きな
 言葉にならない宇宙的な、永遠的なものに
 ほんのちょっぴりの、目の行く意識があれば
 また違った世界に 目に見える世界もなったろうと

 行き着くところは同じで
 同じ結果 同じ世界 同じこと だったとしても
 ちと、ちと違ってたと思う
 だから何だということでもない
 後世、この世の、この目に見える世界の
 自分が死んだ後のこの世のことを
 考えてみる