誰にも理解してもらえないという前提で

「私の書く文章は、誰にも理解してもらえない、という前提に立って、私は文章を書いている。
 みんな、誰もが、私に背を向けている。そして、それが当然だと思っている。
 だから私は、心して、書くのだ。向こうを向いている人間に、どうしたらこっちを向いてくれるか、彼らの使う、彼らに通じる言葉を使おうとし、私は苦心することができ、書くことができるのだ…」
 こういうようなことを云っていた、椎名麟三。やっぱり、あなたは凄かった。