私の一生は何だったのでしょう?
生まれて、なんだか生き、時が経ち、老いる。
偏屈な頑固爺になっていくのだろうか、もうなっているのか。
この世が何かも分からずに くだらん、くだらんと背を向ける
人間が何かも知らずに 人間は、… とのたもう。
自分が生きて来た、それだけを絶対化したがって
他のものを認めない
窮屈な部屋に蟄居して、自分だけの王国に住んでいる
だが、何か心細げだ
そしてけっして満たされない
満たされることはないことだけを知っている。
そんな彼の慰安は
姿も見せず、聞こえてくる、あのウグイスの声!
思いっきり、鳴いている
あの「ホー、ホケキョ!」
往来に響くあの声を聞くたびに
彼は、微笑み、安堵する。
無心の声
無心の声に、安堵する。