限界が、結果なのかもしれない。少なくとも、個人にとっては。
だが、真剣であったこと。それが椎名麟三の云った通り、大切なことなのだと思う。
真剣に、シャカの掌を、これが世界だ宇宙だとばかりに飛び回った孫悟空。
それでいいのだ。
よく、お寺なんかに蓮の花が、ぴょこんと咲いているが、あれは汚い土中から芽を伸ばし、水面を上がり、花を咲かす──この世で功徳を積めば、天国に行けるとでもいう、仏教の教え?のようなものの顕現のように思われる。
天国も地獄もない、神も仏もないだろうに。
でも花は美しい。緑の葉も、一生を終えた枯れ木も、きっと美しい。
この世で、この世界で、この私の世界、私が今飛び回れるこの世界。今、今、今で、あること。
充分だよ。
実のところ。