きみは知っていた
 ぼくのことを知っていた
 きみはきみの中に、ぼくを見ていた

 ぼくはきみを知らなかった
 きみの中にぼくはぼくを見ていなかった
 きみはきみ、ぼくはぼくだとしていた
 ひとつでないのだと

 ひとつになれないと知った
 もう、ひとつだったのに すでに
 さらに違いを求め
 自分からそれを求めた

 きみは知っていた、ぼくを知っていた
 ぼくは知れた、きみはぼくを知っていたことを
 やっと。

 これも時間 時の間
 また流れてく たしかに、その時ひとつで
 一緒に流れてく
 喜んで
 流されよう