あなたの心に

まいったな。
だんだんハマッてきたぞ。作者(かめ)本人が。

まぁギリギリかな。
これは1969年の歌だが… 作者、2歳の時だ。
リアルに聴いていたわけでもないのに、妙に懐かしい。
時代の空気… 産まれて、何の心も持っていないような子ども時分にあった世界。
過ごした時間、そこにいたこと…
残っているものがあるようだ… 意識していない記憶が。

いや、ものごころ付いた頃から、ラジオかテレビで聴いていたんだろう。
そのレコードが出た時から何年も経って、今こうしてお前がまた聴いているように…

しかし何というか、優しいよな。
ギターで、シンプルで、わかり易くてさ。
思いの丈、身の丈が、はっきり分かるというかさ。
どうしてこういう歌が今はないんだろう?

いや、お前がトシを取ったということだよ。
ムカシハ・ヨカッタなんて言い出したらお前…

今トシを取っていない人も、過ぎてしまえば アノ時ハ・ヨカッタってなるのかしら。

まあ、いつの時代もなぁ。
「過ぎてしまえばみな美しい」って歌もあるぐらいだぜ。

俺は過去にけっこう捉われているよ。
思い出しては、苦しい。そんな時間の方が大きくてさ。
あの頃は良かった、って無心に思えるのは、ほんとに子どもの頃かな。
親がいてさ、メシだって作ってくれたんだぜ。
時間が来れば、「ご飯だよ」ってさ。
親の保護下にあった頃は、無責任でもいられたし。

しみったれたヤツだな本当にお前は。