恋愛小説家

 愛する? 頭の中、胸の内にしかないものだね! それ即ち一体一体の身体の中さ! 他に、ありようがない。
 この身体を離れたら? 思いなんか届かないよ、届いたところでまたぞろこの身体の中だ、自己による、自己のための完結さ、とぐろを巻き巻き、また卵を暖める… 孵かえった! どこへ? 形になった、でそれで? これだけカネに支配されたら、何の価値もないね! いのちなんて、どうってことないさ…

 錬金術師がAIを駆使する、皮肉なもんだ、アイ、あい、愛。とりとめもないから、どうにでも! 手を変え品を変え、「こっちの水があんめえぞ」と誘い水! ああ引っ掛かったよ、Note、ワードプレス、小説投稿サイト! わたしは恋愛小説家だ。商業主義と反すると思ってね、ロハで読める… 表現できる場の有り難さ! 全然読まれなかった。

 さて、どうしよう? どこもかしこも錬金術師でいっぱいだ… マネ、真似、money、自分をカネに化かす奴でいっぱいだ、書くことにいのちなんか込められない、そのくせ競馬にゃいのち賭け! 1、10、100、千万… 数こそ正義、この眼に見えるものこそすべて!
 そうだ、困ったもんだ… 読まれないってのは! きゃつらは正しい! こっちぁ眼に見えないもんを書いてんだから。読まれようもない!