(13)

 いつだって同じだ人間関係なんて。
 この人はと思ったら最後、あとは失望へ一直線さ。
 期待をしたがるようにできてるんだ、人は人へ。
 まして男と女なら!

 こりゃまた重症だな。
 人間不信、ここに極まれり!
 ひとりで竪穴住居に籠ればいいものを
 高床式の蜂の巣に
 チョンチョンチョンと居座って
 おそるおそる、暮らしているよ

 204、ここはゴミ屋敷
 朝のゴミ出しが恐いんだ
 人とすれ違うことが恐いんだ
 人となんか顔も合わせたくない
 ゴミ溜めの中にいたほうがまだマシさ…

 消臭剤で固め
 ああ人間なんて自分のことしか考えちゃいない
 化粧のノリが悪い…
 これじゃ「いい顔」できない
 このままじゃ人となんか会いたくもない
 こっちを見るな!

 人のいる場所がイヤなんだ、彼女は。
 たったの壁、たったの床、たったの天井があるだけで
 すぐそこに人がいる
 人の巣食う棚田に、彼女もいるというのに

 そっから脱け出なんかできゃしないのに
 陽も射し込む二間があるのに
 せっかくの窓もアマゾンの宅配ダンボールだらけ

 出てみてごらんよ、乙女さん
 他人はあなたが思うほど、あなたのことなんか見ちゃいない
 自分のことしか考えてないんだよ、人は
 立派な一員だ 夢見る少女さん!
 さあ外へ!

 … 拒否されちまった。