人間なんて、ろくでもないもんだ…
だから、だから愛するんだ!
… セリーヌの言いたかったことは、この二行に尽きるんじゃないか。
こんなこと、どこにも書いてないが… セリーヌの作品を読み続けるにつけ、そう思わざるをえない。
医者として、彼はすべての患者を無料で診察した。
戦時下で物資が不足の時は、自腹をきってスイスから必要な薬剤を調達した。
シホン主義、カネが世界を牛耳る… いのち、そんなもんじゃない、カネとイノチは別物だ… 助けられる資格、知識をもつセリーヌとして… 世界に対する反発… 信念を貫いて… 反ユダヤの文章をこれでもかと書いたばかりにナチズムだと批判され… 「人類の敵」とまで言われ… 最後の作品を書いて、翌日にさっさと自然に死んでしまった。
人間はろくでもないもんだということ、これを忘れないこと。
だから、だから愛するのだということ。
それが戦争を世に繰り返さない、誰もが使用可能な生きる仕方である、と。