そして今日も大安寺へ行った。南都七大寺の一つ。
やはり、いいお寺だと思う。
今日も「癌封じ」の祈祷を依頼された方がいらっしゃったようで、お坊さんのお経の声や太鼓の音が、喫煙所に聞こえてきた。
参拝者も、ちらほら。
お寺の門をくぐる前に、私は心の中で「失礼します」と言って手を合わせる。
だが、そこからは、10~15mほど前方に、大きなクスの木が立っているのだ。クスの木に手を合わせているようなていになる。
そう、基本的に、私は神仏を信じてはいない。
ただ、手を合わせ、人間の手の届かない何かに、「ありがとうございます」とお礼を言いたいのだ。
帰る際も、門を出てから手を合わせ、お辞儀をする。
クスの木が、こっちを見ていた。私は、心からクスの木に敬意を表した。
クスの木が、クスッと笑ったような、笑わなかったような。