おや、ふらふらしているね。大丈夫かい。
うん。ふらふらしてる。きっと大丈夫。今まで、何をそんなにガンバッテ、しっかり歩こうとして歩いていたんだろう、って思うんだ。
ふらふらしてるのが今の僕であるなら、これでいいじゃないか。いいんじゃないか。そう思えてならなくてね。
杖をついているおじいさんがいる。腰の曲がったおばあさんもいる。道すがら、「ああなりたくない」なんて思ったよ。
でも、それぞれ、各々、そうして「在る」のだからね。胸を張って、堂々と歩かなくてもいいんだよ。
そのまま、そのまま。そのままの意味が、ほんとにわかった気がするよ。そのままに、意味なんかないんだけどね。