妄想は、私の得意技の一つだ。
それは私を苦しめることもあれば、楽しませることもある。
その「こと」が起こっている間の時間、私は精神的に七転八倒したり、ひとりでニヤついたりしている。
そして「こと」が妄想通りに運ぶよう、その「こと」に自分を現実に当てはめようとしたりする。楽しい妄想の場合は特に。
が、その妄想に現実を当てはめようとする時、すでに妄想の時間は過ぎているのだ。
現実に、たとえば恋人と駅で待ち合わせ、妄想、それまでしてきた妄想通りにコトが進むわけがない。
… この頃私は、妄想の真っ最中、またはそれが終わった時間に、「ああ、こんないろいろ、考えることができてシアワセだなあ!」みたいに思うようになった。
いや、ほんとに、考えられる、考えることができるというのは、ほんとにシアワセといっていいほどのものなのだ。
そんな時間に、ほんとに感謝する、みたいな気持ちになる。
ふしぎなことだ。