だから寄り添うことができるんだが!
ひとりひとりであればこそ!
そこに美化を介入しちゃいけない… 醜化も! どんなに化かしてもいけない、そのままそのまま!
「ある」だけなんだから!
感受作用にすぎないんだから。
ただそれはあるだけで… 「あった」とも言えるもの。残存記憶、それにお前が囚われているにすぎないこと…
みんなが。ひと、って生き物に限り。
たいしたものだ、人間様は。なんと小さいものだ、人間様は。
大、中、小、いろどりみどり…
その網膜、心にも網膜! 蜘蛛の巣みたいに念入りに。
アメンボみたいに表面張力! 過信過信、あっぷあっぷ、水をはじくスネ毛は脱毛し!
自分の出した糸にこんがらがって。トンボの嘲笑!
それもお前のつくりだした世界だ。
誰のせいでもないよ。ましてお前のせいでも!
誰の、何の、ためでもせいでもない。
お前は越えてきた、あっちの谷、こっちの山…
よくやった! よくやってきた!
それで充分じゃないか。なにをまだ…
俺は敬っているよ、本当に。
どうぞそのままで!