「同情は相手に失礼ですから」
内心で尊敬している人から、そう言われたことがある。どんな話の流れでそうなったのか忘れたが、この言葉がずっと記憶、身体の隅にあるようだ、それも忘れていることもあるが。
で、いつか昔の彼女にそう言ったことがある、「同情は相手に失礼だから」。
そしたら彼女、シンジラレナイという表情! 「同情が失礼? 同情はいいことでしょう…」
その言葉に対して何か弁解めいたことを言ったが、しどろもどろ… ああ、ワカラナイんだな、と思いつつ、がっかりした── 彼女に対してと自分の弁明の出来なさ、同等の落胆をもって。
同情(情が動き、相手に同化するような自分になれ、相手にやさしくなれ、思いやり、とさえ呼ばれ… 決して悪いものでない、だから善い、のテリトリーに入る情)!
「アンタ、冷タイネ」彼女の顔はそう言ってた… おっと、嫌われた… これから気まずい時間ばっかりじゃ堪らない… ええい、こっちだって情ぐらいある…
おい、上から目線! あのベクトル! 同情ってのはお前にとっての道場だ… (俺は今こいつと同じ場所にいるだろうか)自問し、卑しい優越、こいつに手を差し伸べる… そんな〈善意〉、くだらん自己満、相手のためのように振る舞う… その発露になる行為… その前の心ん中に、善魔とでもいうべき魔物はいないか… ちっとはいるだろう、意識すりゃ… そいつをやっつける… WAR!
俺はてめえのためにやってんじゃない… 偽善は悪の華だ、甘い、いい香り!
冗談じゃない… こっちだって頭から血ィ流してんだ…「見せかけでやさしい人はいっぱいおるけど、あなたはほんとうにやさしいね…」特養でそう言われたことさえあった… どうでもいいんだそんなこたぁ! 人のために何かする、その時は恥ずかしく思え! おかずじゃねえんだ、マスターベーションの!
相手は人間だ、手があろうがなかろうが、足があろうがなかろうが… 心? それが何だってんだ… 人のためによかれと思い、思うその心、よく、よく見つめやがれ。てめえだけのもんだ…
相手をほんとうに尊重するなら! 善意だの、人のためにだの、ちゃんちゃらおかしいよ。よく考えやがれ、無思慮、無思考に慣れ切った、惰性の習慣レールに嵌められた車輪ども、AI人間、レンタル頭! てめえの頭で、てめえの身体で考えやがれ、小っちぇえスポイトでスポイルばっかされて喜んでんじゃねえぞ…
同情の話?偽善的にならぬ、なりたかない… 偽善ばかりが闊歩するこの世だ、せめて言葉にぐらい誠実に! 言葉が汚い? くそくらえ、偽悪はまだ可愛いもんだ… 裏でツルんでる、善悪、正不正、美醜… あらゆる対照が。だからよく見つめんだ、吟味すんだ…