昨日の銭湯からの帰り道。
何も考えず歩いていたつもりだが、フッと、衝撃を受けた。
「然り…然り!」
「ツァラトゥストラ」で、驢馬も言っていた「然り」!
この「然り」を体感した。
そうだ、ニーチェは「何のために」「なぜ」「どうして」と、いわば「存在意義」「存在の意味」「行為の意味」から、その哲学を始めていない… 然り、然り、然りから、彼は始めている…
然り。ここに〇がある、×がある、△がある── 然り。然り!
道を歩いていた、ただ歩いていただけなのに、なぜあんな衝撃が。
電柱があり、アスファルトがあり、人が夜道を歩いている… 然り、然り!
いっさいが、突然明白になったような衝撃。
驚いた。そして、嬉しい、喜ばしい── いっさいが、鮮明に、胸の中に何の抵抗もなく、行き来した。