「仕事の責任者などになってはならない」これは、ほんとうだと思うし、素敵な考え方である。
自分の身を削り、つまりは生命を縮めるように身を焦がし、己の時間を削いでまで仕事に精を出す。ばかではないかと思う。
それだけ賭けるに相応しいもの、自分でほんとうに選んで、そのためになら死んでもいいと思えるほどのものであれば、まったくいい。
だが、そのようなものなど、この世にはないのだ。あるとすれば、自分の中にだけであって、その対象となるものは目に見えない。
だからもしあるとすれば、ひとりの中である。
「仕事の責任者になど、なってはならない」荘子の言葉を、私は真実と思う。