炬燵から起き上がり、髭も剃らず、顔も洗わず、4時50分、家を出る。
会社バスに乗り、会社に着く。食堂で納豆ご飯と味噌汁を食べる。
ロッカーで作業着に着替え、休憩場で親しい人たちとおはようの挨拶を交わし、たむろいながら話をし、タバコを吸う。
詰所に入って、朝の簡単なミーティング、「今日の安全宣言」私の番だった、壁に貼られてる言葉をなぞる、「いつでもどこでも誰でも安全第一、ヨシ!」
私がそう言うと、13人の職場の人たちが後から一斉に同じ言葉を言う、「いつでもどこでも…」
自分の持ち場へ行く。ここ2日間くらい、あまり寝ていない。どうでもいいや、と投げやりな自分への気持ちのままに労働を開始する。
昼メシ食って午後になって、残業30分して、会社での私の1日が終わった。
どんよりと暗い夜が終わる前、今日はもう会社を休もうと半分本気で考えていた。今日休んだら、明日も行きたくなくなるだろうな、と思いながら。
その時、九州にいる友人、Kさんが唐突に思い浮かんだ。
Kさんは言っていた、「仕事なんか、ほんと、どうでもいいんですけどね。」(と言いながら、彼もしっかり役職に就いているが)
前の職場で大の仲良しだったMさんも思い浮かんだ、「かめくん、仕事、適当に、人間関係、適当に。」
よく会社まで車で送ってくれたキヨシローが思い浮かんだ、「オレ、ほんとに仕事中、立ちながら寝てたもんな(笑)、そりゃ上司から嫌われるわなぁ(笑)」
─── 彼らを思い出したら、急に気楽になった。そうだ、何も、そんなに、ムキになってやるほどの仕事じゃない。
昨日からちゃんとメシ食ってないから、会社の食堂の納豆ご飯を食べに行こう。
そんなふうにして、軽快に出社し、しゃきしゃきと仕事して、帰ってきた。
気持ちよかった。爽快だった。