日光浴を、よくパンツ一丁でしていたものだ。
汗をかくのが気持ちよかったのだ。それも、主体的に!
実家の物干し台で、学校になんか行かずに。
大滝詠一の「LONG VACATION」などを聴きながら。
実家を離れてからも、陽あたりの良い賃貸マンションに住むことが多かったので、よくベランダに横たわっていた。
汗だくになった身体を、冷たいシャワーを浴びて冷やす、これがまた気持ち良かった。
そして氷の入ったカルピスなんかを飲むのだ。
これがもう空前絶後、言語道断的に気持ち良かった。もちろんベランダに出る時は、人に見られてはいけないから欄干に布団を干した。
飼っていた犬や猫も、暑いのにわざわざ陽のあたる場所に来て、太陽の光を浴びていた。
動物は、陽にあたることで、何やらヴィタミンDやらを体内で生成し、骨を強くするということを、昨日聞いたラジオ番組で言っていた。人間も、そうであるらしい。
身体は、知っているんだと思う。何が必要で、何が不必要か、考える前に取捨選択しているのだ。
打算も下心もなく。
もっと、身体に素直になっていいのではないかと思う。むろん、ひとに迷惑がいかぬていどに。
あらためて思う、脳はばかだ。長い、長ーい間、DNAとか呼ばれるもの? 身体に埋め込まれた、身体だけが知っている、「知」があるというのに。
頭だけが異常に大きくなった宇宙人の姿があるが、あれは脳ばかりに身体を乗っ取られた、人間の成れの果てのようにも見える。
その眼は、異常に冷たく見える。
知能がどうの、IQが、などと、せいぜい50年位の歴史ではないか。人間がつくったにすぎない、小さい基準ではないか。
そんなことより、きっと遥かにだいじなものが、個々の身体、個々の生命の内に、あるはずだ。