気持ちがいい。
こんないい天気なのに、パソコンなんかやってられない。
タバコも切れたし、いつものお姉さんのいるタバコ屋へ。徒歩30分、気持ち良かった。
ただ「飛蚊症」は健在で、あまりキョロキョロして眼球を動かすと、その動きとともに眼の中を蚊みたいなのが飛び交って、鬱陶しいことこの上ない。憂鬱になる。
で、あまり眼を動かさず、一点だけを見て歩いた。どんな美女とすれ違おうが、絶対見ない。
すると、蚊も飛ばなくなる。
だが、力が自然、入ってしまって、肩が張ってきてしまう。
で、なるべくリラックスして歩くようにする。
何をするにしても、「力を入れない」「リラックスする」というのは、難しいものだなぁと思う。
ところで、あまり「生きる目的」がない。もう十分、人生、やってきたと思っているし、特に悲願も念願もない。と思う。
何も達成していないと思うけれど、こんなもんだと思っている(と思う)。
何を考えているのかと自分でも思う。
思うことだけは、得意なようだ。
スーパーで買い物なんかをして帰宅。家人が出迎える。
もし自分に、生きる何かの目的があるとすれば、この家人より先に死なないことだろう。
たぶん彼女は、ぼくが死んだら、ちょっと困るような気がする。
天涯孤独、とまではいかないだろうが、これだけ気兼ねなくつきあえるというか、一緒にいられるという(もう12年)、そういう相手は、なかなかいなさそうなのだ。
自己過大評価でなく、客観的にみて。
どういうわけか知らないが、彼女は楽しそうにぼくと暮らしているし、いなくなったら困るだろうな、というのは、申し訳ないけど分かる。
だからせめて、順番的にも彼女が年上だし、順調にいけば彼女が先に逝くことになるだろうから、ぼくはせめて、彼女を看取みとって、彼女をひとり残さないようにしたい。
ぼくは結構しぶといから、彼女に先に逝かれても、そりゃひどい気持ちになるだろうけど、大丈夫だと思う。
というわけで、ぼくの生きる目的は、彼女より先に死なない、ということになった。
でも、そんなこと、誰にも分からんのだ。
生まれた時と同様、生きると分かって生まれたわけでないし、死ぬ時も、死ぬと分かって死ぬわけでもないだろう。
よし分かったところで、もうすぐそこに「おムカエでごんす」が来ているのなら、分かったところでどうしようもない。
彼女より、先に死なないこと。せめてこれを目標にしよう。
そう決まった。そう決めた。