では、一体何を考えるのか?
いかに社会に迎合するか。いかにいいねをたくさんもらうか。
セリーヌ流にいえば、「せんずり」だ。
そればかり考えてりゃいいのか。
自分のことだけ、自分の満足ばかりのために。
受けを狙い! 評価を気にし! 秒速で流され!
売春婦と買春男! 白昼堂々、お構いなし!
みんながこうしてるんだからね! みんなが!
公然のマスかき…
いや、もうやめよう。
もうやめよう、こんな書き方は!
… セリーヌは、「夜」と「なしくずし」だけでやめようと思っていた。
これだけで、もういいだろうと思っていた。
イヤな予感はしていたんだ、これ以上読むなって内面の声みたいなものが。
しかし… 読んでよかったよ。
大虐殺をしたヒトラーは大悪人だ、戦争をおっ始めたプーチンも同様だ、悪、悪、悪!
が。彼らにも理由があったんだ。
彼らのしたことは、悪い、それはそうだ!
しかし、それをただ頭ごなしに、悪!と決めつけ、そこからしか見ない… そんな一方的な自分の頭に、セリーヌはガツンと言ってくれたよ、おい、そんなもんじゃないんだぜ… こっちを善、あっちを悪、そんなもんじゃないんだぜ、自己満のせんずり野郎。お前、知ってたはずだろう? シッダールタや荘子の本を読み!そんなもんじゃないことは、知っていたはずだろう…
現実にそれを生かせよ… お前にはその要素があったろう。そいつを生かせよ、お前次第なんだぜ… 生かすも殺すも…
きっついなあ、セリーヌは! えぐり込んでくるよ、胸奥に!