本体と関係

 その相手に向かう言葉。そこには関係があって──
 同意、対意がある。
 その相手に向かう言葉には、お互いに。
 好意、悪意もある。
 だから言葉は、それ自体ヌケガラ、記号、縁取られた線、形どられたもので──
 実体は、関係であって──
 お互いにとっての相手が相手に向かう──
 その手段、媒介、手立ての一つにすぎず──
 確認するための。
 が、何を確認するのかといえば
 それぞれの自己確認に帰着して──
 ふたりの間、間柄、ふんわか丸く、マンガのフキダシみたいな小雲のカタマリを──
 その関係の間、ふたりの間に浮かんでるそいつの──
 
 独り言の場合は、この小雲がひとりの内にあって──
 こうして言葉、記号、文字化して──
 雲形定規でなぞる。
 ひとりでいようがふたりでいようが──
 形のないもの、あるけれどつかめない小雲ちゃんが
 ぽかぽか浮いて──
 ひとりとひとりの関係。
 ひとり内の関係と、ひとり内の関係と。
 文字は、ひとり内の関係のやりくりで──
 対話も独り言も、── けむりがどこにあるか
 浮かんでる場所、目にする場所が違うだけで──
 実体は、本体は、──