人類の過渡期?

二十歳の頃、不登校関係のサークルのようなものをやっていたのだが、その中で一度だけ会った同年代の女の子の言葉が、この頃頭の中をリフレインしている。

「わたしたちの世代は過渡期だから」。
過渡期、という言葉。
彼女は確信をもって言っていた。

過渡期…

そのニュアンス、印象は、かなり大きな視点から言ってる感じだった。
「人類として」というような。人間の歴史、とでもいうような。

過渡期であるからには、それを渡って何らかの結果が出た世界を迎える、目の当たりにする、というイメージがある。でも彼女から僕が受けた印象には、そういうものではなかった。結果のない、成果もない、「過渡期」でしかない、というような感じだった。

そういう予言的な、スピリチュアル的なもの?は、あまり受けつけないタチだったので、ふうん、という感じで聞いた。
それきりの話だ。でも彼女が僕を見つめて伝えたいとしていた、その時の真摯さのようなものがずっとあって、今強く蘇って来ている。

どこにでもいるような、ごく普通の女の子だった。

三十年以上たって、彼女の言葉、何より、伝えようとしていた、「ほんとうのこと」を伝えようとしてくれた、その姿が、今、やたら強く、僕の内から訴えてくるのだ。
顔もぼんやりして、名前も思い出せないが…。

といって、…。

自分のすることは限られている、今自分のするべきこと、した方がいいと思えることは。