こうも揺れちゃ、おちおち書いてもいられないよ!
ちょっと前までは良かったねえ! 酒飲んでバカ騒ぎして、自分のことだけ考えて何でも書けたものさ!
天と地は繋がってんのさ、天が荒れりゃ地も荒れる…
繋がりを忘れた生命にゃ、ろくなことがない。
自分のことばかり考えてる生命には!
考える… それは素晴らしい能力だったのになあ!
おっと、また揺れた… 畜生、何も書けたもんじゃない!
これをまた災厄だと騒ぎ出すんだろう?
てめえでやっといて、世話がない!
何が災害だ! 地上あっての生命だったろうに!
そりゃ悲しいよ苦しいよ、だから何だってんだ、畜生。
この地、あっての、生命だったろうに!
おっと、大洪水だ… 何、もうわかっていたことだって?
聖書がとっくにそう言ってたって?
順調満帆ってわけか。方舟? よくできたものだ…
何もしてこなかった俺らの責任だって?
こうして何回も繰り返すんだって?
試されているんだって?
また失敗に終わった、って?…
成功、失敗にこだわってる限り、無理だって?
つまらんことに執着し…
文学は、助けてくれ!と叫ぶことができるって?
もう、叫ぶこともできやしない!