掃き出し窓の桟を掃除してたら、クモがあわてて逃げていく。
おやおや、と見ていたら、そのクモ、繭(卵だ)を口にくわえて、重いのだろう、後ずさりしながら一生懸命、繭を引きずっていく。
ちょっと、感動してしまった。必死になって子供達を守ろうとしてる… たぶんお母さんグモだったんだろう、生まれくる子供達を、必死になって引きずって。
家の石段、土手から玄関先まで、ブロックを置いてつくった、ちょっとした階段があるのだが、いつかそのブロックを一つ、どけたことがある。不安定だったから、直そうとして。
するとそのブロックの下に、たくさんのアリが! 右往左往、パニックになって慌てふためいている。だがそのアリ達、ちゃんとひとりひとり、口に白い卵をくわえていた。 いきなりの「天災」のさなかにあっても。
新たな住まいへ無事引っ越せたのか、数分後、もうそこにはアリ一匹いなかった。
石の裏にいるハサミムシは、自分の子どもを守るために、人間さえ威嚇するという。子どものためにその身を、自分の身を捧げる(食わせる)という。
なんとも、申し訳ないが、うるっと来てしまう…
愛だの何だの、そんなもんじゃない。本能だとか何だとか、どうでもよろしい!
いのち、を思った。