恋愛? 連愛? 連なる愛? 辛い愛、ツラだけの愛、、、
おい、もうムリに書かんでいいんぜ、旦那! 無理が通りゃ道理引っ込む… 引っ込む程度の道理しか持てん、片輪の不具者! 愛だの何だの、唖のくせに喋ろうとしやがって、舌足らずの短小野郎が!ウーウー、アーアー△▽、石器時代の人間は余程真剣だった! 余程真剣に伝えようとしていたものだ! 悪戯に文字を駆使しようなんてしなかったさ… 言葉を! 虚飾だらけになったのは下らん知識のせいでね… もののあはれ、キョムだの切ないだの、飽食の贅沢病に罹っちゃいなかったよ、言語の! あっぷあっぷ… 頭ん中は文字だらけ! 理詰めの缶詰どもがガシャガシャガシャ‼ 桃尻娘もオッパインアップルも朽ち果てる… 腐ってくんだ、外側から! 文字は外からの詰め込みなんだ… 貴様の存在そのものだ、内側に浸食する、錆びが!
わかりました、わかりましたよ… もういいでしょう、さしあたり現代では愛は美しく、ちょっぴり哀しく、しかも読み易く求められるべきものとして浪漫派の自己陶酔型の恋愛中毒、依存症のA- IIに分類されとります、この種の型式に合った人間を、販売上読者ターゲットをここに絞ってですね、相応しい言葉で塗り固めた物語を提供するべきだと思うんです。
いつまでやってんだそんなこと… だから内から醸造されねえんだ… メッキ! ハリボテ野郎、ハゲ頭! 脳味噌までつるつるてんのカバ野郎が… おかっぱのカツラ野郎、こんな表現が〈恋愛小説〉に相応しくないと? こっちに持って来るんだ、引っ張ってやるんだよ、愚鈍なのびのび饂飩のしなびた陰茎のいいね稼ぎの乞食野郎どもを… 女陰の口パク立ちんぼを! いまや愛もアイアイ、アーイアイ、お猿さんだよ! 目に見えねえものには価値がねえってんだ。目に見えるもの… コトバ! コ・コ、ト・ト、バ! 見るも卑しい、下卑た言葉を使って、愚民どものシチュー頭を、その中身を形にしてんだこっちは!
穢ない言葉は貴様らの内だ… だから見ようとしないんだ、へっぴり腰! ウツクシク? 装いも新たに? 変わんねえんだよ、それじゃ! 貴様の醜悪で下劣な陰部を… その性根が! いつまでたっても…
破壊しないと創造もない、というんですね? 創造のための破壊だと。汚い言葉で、既存のありふれた文章で表現したくないと。
ニーズがあるから書くんでなく、ニーズをつくろうとするんですね。冒険ですよ、それは。「こうすればあなたも恋愛上手!」「うまくいかなくなった時の対処法」ならいいかもしれません。
「考えること」をしなくなっていますからね、日本の高等遊民は。やさしく、読み易く、が原則です。腐った原則ですがね、これも時代なんです、読まれてなんぼなんです。数、結果がすべての世界なんですよ。わかり易くていいじゃありませんか、深く考えない! 考えることは数を稼ぐ、金を稼ぐこと。これ以上有益な思考の働かせ方はないですよ。これ見よがしに、チラリズムで行くんですよ。いやらしく… いやらしさを大っぴらにしちゃいけませんよ… それこそほんとうのいやらしさです。もっといやらしく、もっといやらしくなってください…