オランピア劇場のパンク・ロッカー

「私が表現したいものは、絶望です。
 そして最も多くの感動をもたらすのは悲しみです。
 愛は絶対に共有されません。」

 オランピア劇場で客を熱狂させた歌手が言った。

 見よ、愛は絶望、希望は絶望から始まるのだ。
 希望は愛であり、愛は希望である。
 それは絶望、悲しみの中にあり── 絶望から希望が、悲しみから愛が生まれるのだ(死があって、生があるように)。
 なぜなら、彼らはまるでひとつになって… 共有したかのように熱狂していたからだ。