生き甲斐。このために生きている、と言えるもの?
何だろう。オレには無いな、と思えたが、「無い」と書こうとしたら、ウソになる、と確かに感じられた。
生き甲斐。このために、自分は生きている、と言えるもの。
何だろう。「無い」と断言できない以上、あるはずだ。
きっと、ある。
一緒に住んでいる彼女のこと。その存在。子ども、もう、立派な大人になった子どものこと。元妻のこと。絵を描いている、素晴らしい友達のこと… 「人」のことが、どうしたわけか心に浮かぶ。
人とのつながり。
ほんとに何か、つながり合えたような、今もつながり合えるような関係。
罪障感、と呼べるようなものも、その関係を思う時、自分の中に浮かんだ。
自分が何かもっと彼らにしたいこと、するべきことが、残っている、とでもいうような。
このままでは死ねない、とでもいうような。
具体的に何ができるか。何もできそうにない。でも、何かしたいという気持ちだけは、強そうな顔をして胸の中にいる。
どうして「生き甲斐」から、彼らのことが思い浮かんだのだろう。