かんがえる

 どうして戦争なんか起こすのだろうね。
 自己顕示欲、所有欲。我欲ってやつかね。
 我を通そうとすることかね。
 だとしたら、いつでもどこでも、起きるね。

 戦争がなくならないのは、そのためかね。
 我と我がぶつかり合って。その我は、何なのかね。

 それをほんとに考えない人間が、起こすのかね。
 ほんとに考えたら、起きないのかね。
 何を考えているのかね。
 考えるとは、何なのかね。

 ── 話を元に戻そう。
 ── 元は、どこだったのかね。
 欲、だったかしら。
 欲か。なぜ欲があるのかといえば、その先に快楽があるからだろうね。
 一度覚えた快楽を、また求めようとする。脳は、おばかだね。
 でも、それが人間の証明らしい。頭の良し悪しは、それで決まるらしい。

 証明しないと、何か不都合なことがあるのかしら。
 分けたいんだろうね。分けられたいんだろうね。
 優劣を決めるために。
 きりがないね。
 優だの劣だの、ばかばかしい。

 どうして、何かを決めなければならないんだろう。
 何かは、何かのままじゃ、何かのままで終わっちゃうからじゃない?
 何かのままで、十分すごいんだけど。
 それだけじゃ、嬉しくないんだろうな。
 結局、「認められたい」願望か。

 最近、気づいたんだけどね。
 うん。
 何か真剣に読んだり書いたりするうちに、要するに真剣に考えている感じの時、あ、そうか!って、気づくことがある。
 これは、まわりから認められるから嬉しいんじゃなくて、自分の中でハッと気づけること、気づけたこと、発見があったことが嬉しいんだよ。
 本を読むのも、ものを書くのも、もしかしたら生きているということも、この驚きのために、やってることなのかもしれない。
 もう考えるのイヤダー!って思っても、続けていると、ほんとに発見があるんだと思った。
 これは、かけがえのないことだよ。

 よかったね。気づくことは、誰でもない、きみ自身以外にできないことだから。
 そういう気づき、驚きが、だいじなんだよ。
 大変かもしれないけど、これからも考えていくんだね。
 考えたいんだろう?

 そうそう、考えたいんだよ。
 「べき」じゃなくて。「そうしなければ」じゃなくて。
 ニンゲンの、ジンルイのひとりとして、またジブンとして。

 まったく、考えることは、それ自体、特に理由もなく、気がつけば考えているものだからなあ!