《私》の感じていることなど、人間の感じていることにすぎない。
「自分だけが」なんて、ない。

鳥が飛ぶように、魚が泳ぐように、人が感じること・考えることは、その性能が働いていることにすぎない。
要するに人がやること・言うこと、みな似たり寄ったりで、ヒトの限界内で飛んで泳いでいるだけのことだ。

表現の仕方、思考の仕方の差異こそあれど、人の限界を越えたものはあり得ない。どんな偉業も、どんな発見も、人間の範囲内、その限りを越えるものではない。

自分だけが特別なんだとか、他人より秀でているんだとか、そんな意識をもつ、もとうとすることが、どれだけ井の中の蛙か。