(16)ふたり

 おそらく、ふたり、死ぬであろう。
 死ぬ時は別々だとしても
 それまで、生活をともに
 すなわち、一緒に、生きるであろう。

 そして、もし生まれ変わったら
 懐かしさのあまり、
 そして、あった好意のために
 またふたり、好き合って
 以前と同じように、交流をするであろう。

 ふたり、まだ
 完全に理解しあったわけでないから
 ふたり、ふたりであって
 まだ、ひとつであったためしがないから

 ひとつであるという意識もなく、ひとつであったためしがないから

 また、ためされる・・・・・だろう
 ふたりの世界から
 この世あの世につながって
 
 もともとひとつであったこと
 その意識もなく
 ひとつであること
 ひとつであったこと──
 その前へ、その先へ
 今という時も忘れて

 まことに平和な
 春の海のようにおだやかな
 世界がおとずれるまで
 ふたり、出逢い、別れを
 くりかえすだろう